Contents
3月に入り新型コロナウィルスが経済に大きな影響を与えています。
それは、観光業であるいちご農園も例外ではないのです。
いちご狩りの特性上、生っているいちごを摘んで食べていただくので、どうしても手で触りますし、そのいちごを別の人が触っていない保証はどこにもありません。かと言って、消毒も水洗いもできないのです。もいだ時点で水洗いして食べていただいたとしても、ウイルスは80度以上(確かではないですが)の高熱で煮沸しないと殺菌できないようなので、水洗いは意味がありません。
ビニールハウスに入る前に受付で手を消毒してもらうにしても、心配な人は心配でしょう。
いちご狩り来場者は激減しているのです。
もちろん中国など海外のお客様が激減しているのが大きな要因でしょうが、国内の日本人客も減っているようです。
もちろん、お客様の立場になれば、観光を控えできるだけ外出しないようにする気持ちもわかるので、なかなか根本的な解決策が見出せないのが実情なのです。
もう、1日も早く感染がおさまることを祈るしかありません。
いちご狩農家の特性で困ること
このような状況だと、観光農園としているいちご農家はどんどん成長して熟していくいちごをどうすることもできずに、熟れるに任せるしかなく、途方にくれてしまいます。
一部、いちごジャム加工用に収穫したり出荷したりはしますが、もともといちご狩り用に栽培しているので栽培の方法が異なるのです。
※農家さんにもよるのであくまでも参考に。
どう違うかというと、出荷を前提に生産するいちご農家は、一粒一粒に栄養が周り、美味しく大きないちごを作るために、一つの株に一度になるいちごの数を制限して生産します。1株だいたい10〜15粒できるように蕾の段階からその数を調整していきます。具体的には余分の蕾をもいで行くんです。
※出荷用のいちご栽培はこのように粒が揃い、一粒一粒の品質がいい。
※いちご狩り用のいちご栽培はある程度は数多く作ることも大切なので粒がバラバラになりがち。
ですが、いちご狩りだけを目的とするいちご農家の多くは、そこまでの数を限定するのではなく、ある程度の数がなるように多くの蕾を残して栽培していきますからどうしても粒にばらつきがあり、大きさも少し小振りになりがちです。
でも、実はこの小振りのいちごの方がいちごジャムを作るには適しているのです。小さい方が赤い部分が多く、いちごジャム特有のあの赤さが色濃く出ますし、味も良いようです。
とにかく、今は生産者の皆さんは我慢するしかなく、お客様となる皆さんには、無理して来てくださいとは言えないまでも、感染がおさまったら、ぜひ、いちご狩りに家族揃って出かけてくださいとお願いしたいです。それが結局はいちご農家さんを応援することになりますから。
私たちが恐れているのは、ただでさえ辛くて後継者が減少していくいちご農家なのに、今回のことをきっかけにそれに拍車が掛かるのではないかということです。
これからもずっといちご狩りを楽しめるように、頑張っているいちご農家さんを、みんなで応援していきましょう。