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あまおうのいちご狩りに行きたいけど、あまおうをやっている農家が見つからない!なぜ?
っていういちご狩りファンの方は多いかと思います。今回はその疑問にお答えします。
「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字を取って「あまおう」と名付けられたこの品種、本当に美味しいですよね。いちご狩りで思う存分堪能したいという気持ち、痛いほど分かります。でも、いざその夢を叶えようとしてもあまおうのいちご狩り農家が全く無いのです。それは何故なんでしょうか?
答えを言ってしまうと、あまおうは九州の福岡県限定品種なので、福岡県以外の県では栽培出来ないからなのです。
逆にいうと、実は福岡県内のいちご農家さんであれば、あまおうのいちご狩りができるんです。
上記の写真は、wolkerさんのいちご狩り案内のページのコピーですが、ちゃんと対象のいちごに「あまおう」と記載されています。
一例としてあげている農園の所在地は福岡県久留米市ですね。福岡県内ではほとんどのいちご農家さんがこの「あまおう」の栽培をされているのではないでしょうか。
どうしても、あの甘くてまる〜いいちご「あまおう」を思う存分食べてみたい!っていう方は、福岡県まで行くしかなさそうです。
関西や関東以東の人なら、おそらく行きの交通費分のお金で、お店であまおうを買って食べたほうがお得かもしれませんね(笑)
それでも、ちゃんとなっている苗から収穫したてを食べたい!という真のいちごマニアであれば、そんな選択肢は無いのかもしれませんが・・・・
ちなみにちょっとどちらがお得か計算してみましょう。
ここでは関東の人が福岡までわざわざいちご狩りをしに行くことがどれだけ非経済的なことになるかみてみたいと思います。
あまおうの価格はその粒の大きさや時期、そして取り寄せ先でかなり開きがありますが、わかりやすいように平均的な価格で計算してみましょう。
●少しだけ粒の大きいもので1パック9粒入りで1000円前後とすると1粒約110円となりますね。
●関東の人の場合、東京から博多駅まで新幹線往復4.4440円となりますね。
→となると、交通費分で404個は購入できることになります。この数になると堪能するどころか、食べきれずにギブアップです(笑)
ちなみに、いちご狩りでは大人の男性で50個前後は食べられると思いますが、404個はいちご狩り8回分ですね。
わざわざ行くのは諦めて、あまおうを4パックほど購入して一気に食べてみましょう。
ただ、おそらく一気に4パックは食べられないかもしれません。いちご狩りだとあの雰囲気と元を取らねば!という硬い決意のため、
たくさんのいちごを食べられますが、自宅でとなると以外に食べられないものですよ。
あまおうが福岡県だけでしか栽培できない理由?
いちご狩りというレジャーは、昭和にできた遊びですが、1990年代までは東の「女峰」/ 西の「とよのか」と言われていました。
2000年代に入ると、品種改良のもと新しい品種が出回るようになり、東の「とちおとめ」/ 西の「あまおう」と言われるようになったんです。
福岡県は、この「あまおう」という品種を品種登録して福岡県限定生産の品種とし、専売品にしているのですね。とても賢いやり方です。
福岡県限定にしたのは、
●一つにはブランディング戦略として
●もう一つは品種の品質を守るため
と言えるでしょう。ちゃんと管理でき、栽培指導もきちんとできることを前提にすると福岡県だけの生産にした方が良いと考えられたのです。
この事例と全く逆の展開をしているのが「栃木県のとちおとめ」という品種です。
皆さんも聞いたことがあるいちごの名前ですよね。
このとちおとめも長い間の品種掛け合わせで栃木県の農業試験所「いちご研究所」が開発したものですが、とちおとめの場合は、広く全国での栽培を認可することで逆にとちおとめの知名度を上げるという戦略をしています。
苗も一般の人もホームセンターや通販で購入できるのでお薦めです。この戦略が功を奏して、「東のとちおとめ、西のあまおう」となったんですね。全く違うブランド戦略ですが、どちらも成功していて面白いですね。
他にも色々ある県オリジナル品種のいちご
誰もが知っていて、誰もが大好きなあまおう。でも、どこでもいちご狩りができるわけでは無いのがお分かりいただけましたか。
限定品種として栽培されているのは、あまおうだけでなく、例えば奈良県の「アスカルビー」「古都華」。奈良県で2019年に品種登録されて発売された「珠姫(たまひめ)」。などが有名です。
その他、静岡県の「きらぴ香」。和歌山県の「まりひめ」などもあります。なかなか市場では出回りませんが、ネット販売では購入できることがほとんどなので、お取り寄せして楽しんでみてはいかがでしょいうか。
まとめ
誰もが知っていて、誰もが大好きなあまおう。でも、どこでもいちご狩りができるわけでは無いのがお分かりいただけましたか。
そして、ここ数年のいちごブームで、日本国中で色々ないちごの新品種が誕生していっています。あまおうに限らず、まだまだ美味しい未体験のいちごがありますから、まずはお近くの県にある新品種のいちごから試してみてはいかがでしょうか。いちご探検を彼女とのデートや家族みんなでやってみるのも面白いと思いますよ。
今回はちょっといちごの深い話になってしまいましたね。