いちごハウスの中で、ブーンってミツバチが飛んでいるのを見かけると思います。流石に、ミツバチを怖がる人は少ないかと思いますが、それでも蜂は蜂です、さすことも稀にではありますがあるわけです。でもあまり不要に怖がらないであげて欲しいのです。
そもそもどうしてビニールハウスにミツバチがいるの?
実は、ミツバチはいちごの花の受粉を手伝うため、人の手で飼われているのです。多くの実が、花が受粉して結実してできることはみなさん知っていますよね。そしてその受粉の多くをミツバチが介していることも。でも自然界のミツバチはハウスの中には入ってこれないんですね。そこで、各ビニールハウスに一つのミツバチの巣をおいてあるのです。専門用語で虫媒受粉用ミツバチとかポリネーターとか言ったりします。多くの場合、セイヨウミツバチという種類が使われています。
ですから、あのミツバチたちはハウスの中で、美味しいいちごがなるように一生懸命働いているんですよね。感謝感謝です。
でも少し注意してください。
ミツバチも蜂は蜂です。刺されたら大変です。そのために一般的に言われている対策をあげますね。まず、彼女たち(働いているミツバチは雌なんです)は香りのキツイ香水や整髪料には反応します。あまり香水をつけすぎないようにしていちご狩りを楽しみましょう。また、飛び回るミツバチを手で追い払ったりすると、攻撃されたと勘違いして逆に攻撃されてしまいます。何もしなければ大人しい生き物ですので、危害を加えず「受粉してくれてありがとう」と感謝の気持ちで優しく見守ってあげてください。
ミツバチが受粉してくれなかったらどうなる?
ミツバチが受粉してくれなかったら、いちごの花は自力で受粉しなければなりませんが、ハウスの中は他の昆虫もいなければ風も通りません。ですから、ほんの少し、花粉が飛んで偶然雌しべ(正しくは雌ずい)について受粉するぐらいになるため、あまり形の良いいちごにならないんです(下の写真のようにいびつな形に)。本当にミツバチ様様です。
よく、マンションの高層階のベランダでいちごをポット栽培する愛好家が、花は咲くのに全然実にならないと嘆いておられますが、当然なんです。
マンションの高層階までミツバチのような訪花昆虫は飛んで上がれないんですから。受粉できないんです。
余談
余談ですが、もしご自宅が高層階のマンションで、いちご栽培をしたい場合、ご自身で受粉させるという手段があります。その場合、いちごの花が咲いたらすぐに、優しく耳掃除のワタの部分で花の雄しべと雌しべを満遍なくなでるようにして受粉させてあげてください。私は、ミツバチたちに期待していますがどうしてもミツバチがやってこない時には、100均の化粧品コーナーから化粧用のパフパフを買ってきてそれで受粉していますよ。