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4月に入り家庭菜園ではいよいよいちごの季節です
いちご農家さんにとっては、11月後半から5月が収穫期で大忙しなのですが、家庭菜園やハウス施設ではない露天の露地栽培いちごは、いちご本来の成長に速度になるため、4月から5月にかけてが収穫の時期となります。
春の温かい日差しの中で、本来の成長速度で花を咲かせ、
春の陽気の中で自由に飛び回るみつばち達の蜜や花粉集めの中で受粉されて
赤い実がなってきます。
私は畑以外にも自宅の庭でプランター栽培をしているのですが、4月中旬になり、どんどん実が赤くなってきました。
でも、植木鉢やプランターで栽培する家庭菜園では、4月後半からのほんの短い間のいちご収穫しか楽しむことができません。
もっと長い間いちごがなり続けたらいいのに!もっとたくさんのいちごを収穫したいな〜!って皆さん思いますよね。
今回は、その期待に答えるべく、家庭でできる長期間のいちご収穫のお話をしてみたいと思います。
今はまだ春ですが、今年の12月頃から家庭でもいちご収穫が楽しめるように、今から心の準備をしておきましょう。
そもそも、どうしていちご農家さんは11月から何か月もの間収穫できるのか?
いちごハウスでいちご栽培する農家さんは11月~翌年5月までのおよそ半年間もの間、いちごの収穫をし続けられるのに、家庭菜園では4月後半から5月いっぱいぐらいしかいちごの収穫を楽しめません。
なぜなんでしょう。
家庭菜園でも長い間いちごを楽しみたいですよね。
実は、いちご農家さんはビニールハウスで温度や日照時間の環境管理を行い、さらに栄養管理など様々な方法を用い、いちごを「ある意味だまして」花を咲かせることで、実を成らせているんです。
いちごが成長するのに適した気温は10度~25度と言われています。
逆に5度以下だと休眠し、35度以上になると成長を止めてしまいます。
いちご農家さんはこの10度から25度をビニールハウス施設を使うことで維持し続けるんです。
いちごはこの適温が続く間は何度も花を咲かせて、実を付けることができます。
普通花が咲いて、受粉して、実が赤く色づくのに1ケ月程の期間がかかります。
それを1クールとすると、いちご農家さんはおおよそ5クール前後繰り返し栽培していちごの収穫量を確保するのです。
一方、家庭菜園では、自然まかせの環境下で栽培するため、冬の間は冬眠し、気温が10度以上になる3月ぐらいからいちごが成長し始めます。
そして、気温が30度を超す日も出てくる6月頃には成長が止まってしまうため、1クールから2クール程度しかさせることが出来ないので、1~2回いちご収穫を楽しんだらそれでおしまい!ということになるのです。
家庭菜園でも少しでも長くいちごを楽しむ方法はないのか?
少し手間がかかりますが、不可能ではありません。
ようは、いちごハウスに近い環境を作ることができればいいのです。
一番簡単な方法は、プランターを厚手の透明ビニールで覆うこと。
写真のように、市販でプランターをビニールハウスにできるキットが売られています。
その他にも、家庭用の温室を組み立てて、そこで栽培するという方法もあります。
※写真:ファスナー付き プランター用菜園用らくらく保温カバー・園芸用保温カバー
家庭用の簡易温室は小さなものから大きなものまで種類が豊富です。ご自宅の空きスペースに合わせて選びましょう。
これぐらいならちょうどプランターが3台入る大きさです。ただし、下から1段、2段目までは上の段のプランターが日差しを遮るために、少し成長が悪くなる場合があるので覚悟が必要です。
これぐらい大きいと、中に人も入れるのでたくさんのプランターも置けて、作業も中で楽しむことができますね。
家庭用の温室やビニールで囲って栽培する際の注意点
温室やビニールで覆って、いちごを何度か実らせるためにはいくつか手間をかけなければいけません。いちご農家さんのハウス栽培を疑似体験するような
ものです。
いちご農家さんはとても多くの手間をかけてようやくあの赤くて美味しいいちごを私たちに届けてくれているのです。
ここでは、一般家庭で気軽にできるビニールで覆う方法で説明していきましょう。
【その前に基本的なことは押さえておきましょう】
●ちゃんと栄養のある土を使い、元肥(あらかじめ苗を植えつける前に土に入れておく肥料のこと)が入れてある。
●苗は10月~11月に園芸店で販売されたタイミングで購入し植え付けしている。
●植えつけたプランターは日当たりのよい場所に置いてある。
それを踏まえた上で次の手間をかければ、冬の間に家庭でもいちごが楽しめて、何度かいちごを成らせることができるはずです。
必要な手間①:まずはビニールで覆う
市販のビニールハウスキットを使うか、透明のゴミ袋を利用してもいいです。
ただ、ワイヤーでアーチを作り、中に空間ができるようにしましょう。
※風で飛んでいかないようにしっかり止めます。
※何か所か直径10mm程度の穴をあけて通気ができるようにしておきましょう。
写真:我が家の場合11月初旬の写真 花が咲いてきています。
必要な手間②:水やりは定期的に行います。
ビニールで覆うことで水の蒸発は少なくなりますが、それでも表面が乾いてきたら水をあげましょう。その時、ビニールをめくる手間がかかりますが、仕方ありません。
必要な手間③:枯れてくる葉っぱは取り除きます。
ビニールで温かさが保たれていると葉っぱも新しく出てきて展開します。
それにしたがい、古い葉は黄色く変色してきますので、随時取り除くようにしましょう。
病気や害虫の原因になるからです。
必要な手間④:花が咲いたら自分の手で人工授粉してあげましょう。
冬の間に花を咲かせてくれますが、その季節にはミツバチなどの昆虫は活動していません。
そもそもビニールで覆われているので、風も虫も入ってこないので、受粉することができません。
耳かきのふわふわの部分等を使い、自分の手で受粉をしてあげましょう。
必要な手間⑤:ビニールの中が暖かいと活動する害虫を駆除しましょう。
ビニールの中は昼間の日差しを浴びてかなりの温度(10~25度)になります。
本来冬にはまだ活動しないなめくじ等の害虫が発生し、いちごが赤く色づくころに食害を起こします。
まめに葉っぱをめくるなどしてして点検していちごの実を守りましょう。
このような手間をかけると、うまくするとクリスマスやお正月に自分でいちごを実らせることも
できるんです。どうぞ挑戦してみてくださいね。
我が家の場合、これは11月中旬の写真11月初旬に咲いた花を人工受粉したら実が結実しました。11月29日の写真まだ12月前だというのい赤く色づきました。食べてみるととても甘くみずみずしい味わいでした。寒い中じっくり時間をかけて成長してきたからでしょう。ただ、少し実は硬めです。その分しっかり実が詰まった感じでした。翌年1月18日の写真クリスマスやお正月にたくさんならせることはできませんでしたが、1月も中旬頃になると幾つものいちごが色づき始めます。
我が家の冬のいちご栽培の実績を紹介しましょう
11月初旬に咲いた花を人工受粉したら実が結実しました。
まだ12月前だというのい赤く色づきました。食べてみるととても甘く
みずみずしい味わいでした。寒い中じっくり時間をかけて成長してきたからでしょう。
ただ、少し実は硬めです。その分しっかり実が詰まった感じでした。
クリスマスやお正月にたくさんならせることはできませんでしたが、1月も中旬頃になると幾つものいちごが色づき始めます。
みてください、1月の寒い時期だというのに、ビニールで覆っただけの簡易のビニールハウスですが、いちごがいつくも赤く色づいていますね。このように、一般家庭でも少し手間をかけるだけで冬のいちご狩りが実現するんです。
冬の間にゆっくりと成長し、ゆっくりと色づいたいちごはとても甘く、しかも実が引き締まっていて美味しいのです。
ぜひ試して欲しい栽培の一つです。